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2025/08/09

ファクタリング事件簿 第一話:消えた入金(後編)

ファクタリング事件簿 消えた入金(後編)

こんにちは!
クールペイです。
 
本日は、「ファクタリング事件簿 消えた入金」の後編をお届けします。
 
前編では、期日を超過してもAさん入金が無かったことに焦ったものの連絡をしたら「入金した」とのことでホッと一安心した私。
しかし…事件は起こってしまったのだった。
 
※前編はこちら
 
 

第1話 消えた入金(後編)

「Aさんからの入金がないようだがどうなってる?」
 
夕方6時。
仕事終わりの片付けをしている私に上司から声がかかった。
優しい口調だが、ピリピリとした空気を感じる。
 
(…しまった。17時頃の電話で、Aさんから振り込んだと聞いていたからそのあと確認してなかった)
 
 
私「…17時にご入金頂いているとのことです」
 
上司「それは聞いていたよ。でも、18時の今も入金反映していないから聞いているんだよ。」
 
(やばい…。確認し忘れたと言ったら怒られるかな?)
 
上司「まさか、入金の確認していなかったのかな?」
 
(やばい‼️心が読めるのか⁉️)
 
…まさに、鬼滅の刃のあのシーンのような緊迫感。
無論、上司が無惨様である。
 
私「申し訳ありません!確認していませんでした。至急、Aさんに連絡をとります‼️」
 
 

15時過ぎたから反映しなかったのかも?

 
慌ててAさんに電話をかける私。
Aさんはすぐに電話に出た。
 
Aさん「どうしたの?」
 
悪びれる様子がゼロであることにこの時は変な安堵感があった。
 
私「何度もお電話差し上げてしまい大変恐縮なのですが、1時間経ったいまも入金の確認ができていません。」
 
Aさん「えっ!?そんなことないと思うけど、もしかすると、15時を過ぎてしまったから入金反映しないのかな?」
 
…そんなはずはない。
当社の振込口座はモアタイムシステム(24時間即時決済)に対応している。
しかし、お客様側の口座が対応していない可能性もあるかもしれない。
 
私「当社の口座は24時間入金反映を確認できるようになっているのですが、Aさんはどのように振り込みましたか?」
 
Aさん「ネットバンク。スマホでやったよ?」
 
私「そうですか…疑うようで恐縮なのですが、振込の事実が確認できる画面をスクショで送ってもらうこととかってできますか?」
 
Aさん「えっ!ちょっと操作方法がわからなくて…ゴニョゴニョ」
 
ん?ちょっと怪しい。…今思えば、この時の直感を信じるべきだった。
しかし、Aさんはすぐに言いなおした。
 
Aさん「あ、大丈夫そう。すぐに送るよ!」
 
私「ありがとうございます!いつものメールアドレスにすぐお願いします。」
 
Aさん「うん。とりあえず、間違なく入金してるから明日の朝にでも確認してみて。ごめんね!」
 
そんな感じで電話を切る。
その後、すぐに振込明細はメールで届いた。
 
振込明細には今日の日付で振り込んでいることが明記されていた。
これで間違えなし…と安心しつつ、すぐ隣で仁王立ちする無惨様…ではなく上司にことのしだいを報告。
 
上司「…そうか。じゃあ明日の朝を待ってみよう」。
 
…??
振込明細もあるのだから入金反映を待つだけなのに、なんだろう、、上司は安心した様子とは真逆の顔つきをしていた。
 
 

消えた入金

翌朝は遅刻ギリギリで会社に飛び込む勢いで出社した私は現実というものに打ちのめされた。
 
Aさんからの入金が朝時点でもなかったのだ…。
慌ててAさんに電話をする。
 
…電話に出ない。
 
数分おいて電話をする。
 
…やっぱり出ない。
胸騒ぎしかしない。
 
致し方ない。
緊急連絡先の奥様に電話をかけた。
 
…ぷーぷーぷー。
着拒しているアレであった。
 
※番号を指定して着信拒否設定をしていると、呼び出し音がならずにプープープーという電子音が流れる。
 
 
…ど、どうしよう。
それにしても、振り込まれたはずのお金が何故入金反映しないんだ?
 
そうだ!
Aさんが振込につかった信用金庫がシステムトラブルとかあったのかも?
しかし、ネット検索するも、システムトラブルのお知らせは無かった。
 
もう、完全にパニックである!
Aさんは確かに振り込んだ。
しかし、そのお金は当社の口座に反映していない。
 
つまり、
Aさんの入金がことごとく消えたのだ!!!!!
 
ひとまず、上司に報告をしなければ…。
昨日の夕方もこの件で話をしていたから事情はわかってもらえる筈だ。
 
そう思って見渡したが、上司は社内にいなかった。
 
今日は外出の予定だったのかな?
特に聞いてなかったけど…それとも急にお休みになったのかな?
 
Aさんは振り込んだと言っていた。
振込明細も確認した。
でも、お金が入っていない。
Aさんは連絡がつかない。
緊急連絡先も電話を着信拒否している。
 
…完全にやばい展開。
心臓はヤバさを告げるサイレンのようにバクバクしている。
正直、どうしていいかわからず、無意味に右往左往する私。
 

即座にAさんの元に飛んで行った上司

 
そんな時、上司から電話がかかってきた。
 
私「もしもし!Aさんのにゅ…」
 
上司「わかってる。大丈夫だ。」
 
焦る私を制した上司はそのまま話し続けた。
 
上司「今、博多にいる。」
 
博多にはAさんが住んでいる。
 
上司「昨日のやりとりがどうしても辻褄が合わないと思い、万が一、今日の朝イチで入金反映しなかったら事情を聞こうと思ってAさんの事務所近くで待機していたんだ。」
 
上司は全てお見通しだったようだ。
 
私「じゃあ、Aさんから事情は聞けたのですか?」
 
上司「あぁ。どうやら資金繰りの都合で本来は払うはずのお金を他で使ってしまったらしい。でも、そんなこと言ったら大変なことになると思って、嘘をついて誤魔化して金策をしていたとのことだ」
 
私「そう…だったんですね。でも、振込明細はなんだったんですか?」
 
上司「偽造だった。Photoshopで加工したらしい。」
 
私「え!?」
 
流石にショックだった。
金融機関が発行する振込明細を偽造することは私文書偽造という犯罪だ。それを、あのAさんがやったというのだからショックすぎる。
 
 
※振込明細を偽造することは以下の罪に該当する可能性があります。(AiのGROKによる)
 
1. **文書偽造罪(刑法第155条~第161条)**
– **私文書偽造罪(刑法第159条)**:振込明細が私文書(銀行や個人が発行する文書)に該当する場合、偽造すると「私文書偽造罪」に問われる可能性があります。罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金。 – **公文書偽造罪(刑法第155条)**:もし振込明細が公的機関に関連する文書とみなされる場合(まれですが)、公文書偽造罪に該当する可能性があります。罰則は1年以上7年以下の懲役。
 
2. **詐欺罪(刑法第246条)**
偽造した振込明細を使って他人をだまし、金銭や財産を得ようとした場合、詐欺罪に該当する可能性があります。罰則は7年以下の懲役。
 
3. **電子計算機使用詐欺罪(刑法第246条の2)**
振込明細をデジタルデータとして偽造し、銀行システムや電子決済システムを欺く行為は、この罪に該当する可能性があります。罰則は7年以下の懲役。
 
4. **その他の関連罪**
– 偽造した明細を特定の目的で使用した場合、例えば恐喝や脅迫に使えば、恐喝罪(刑法第249条)や脅迫罪(刑法第222条)などが成立する可能性もあります。
 
本気で重大な犯罪行為。
これをAさんはやってしまったのだ。
 
 
私は思わず上司に言った。
 
私「Aさん、お金に困って仕方なくやったことだと思うから、警察に突き出すのは待ってやりませんか?お金、遅れても払えたりするかもしれないし!!」
 
慌てる私を上司は大丈夫となだめた。
その声は優しかった。
 
その後、その日のうちにAさんからの入金があった。
今度こそ、間違なく入金された。
 
深刻な犯罪行為はあったものの、遅れつつも入金されたこともあるため、警察への被害届は出さないことになった。
Aさんが犯罪者にならなかったのもよかったし、無事にAさんからの入金も頂けたのでよかった。
 
 
…本当によかった。
 
 

後日談

 
そんな大事件の数日後、私に1通の手紙が届いた。
Aさんからだった。
 
 
先日は大変ご迷惑をおかけしました。
危うく道を踏み外して犯罪者になるところでした。
申し訳ありません。
そして、あの時、警察に突き出さないように庇ってくれて本当にありがとうございました。
Aより
 
 
そう書かれていた。
どうやら、博多から電話をしてきた上司の隣にAさんがいたそうで、私の声も聞こえていたようだ。
 
なんだか胸が熱くなった。
AさんとAさんの会社の未来が明るいものであるように願った。
 
ほんの軽い気持ちでPhotoshopを使って振込明細画面を加工してしまったAさん。
あの時、上司が博多まで直接行って、重大な犯罪であることを諭していなければ、もしかすると今もその深刻さに気付かぬままだったかもしれない。
 
もしそうだったら、そのまま連絡がつかなかったら…
間違なく、警察に被害届が提出されていただろう。
 
本当によかった。
…よかった。