2026/01/21
【国土交通省ガイドライン解説】働きやすい・働きがいのある整備工場への取り組みと成功事例

クールペイです。
・整備士がなかなか定着してくれない
・人材の育成がうまくいかない
・資金面の問題で改善に踏み切れない
皆さん、こうした悩みを抱えているのではないでしょうか。人手不足が深刻化するなか、これまでと同じ働き方・職場環境では、会社の存続自体が難しくなってきています。
この記事では、国土交通省が公表している「自動車整備士等の働きやすい・働きがいのある職場づくりに向けたガイドライン」をもとに、整備工場が取り組むべきポイントをまとめました。
この記事を読めば、待遇や休日といった数値でみえる課題、人材の定着・人材の育成に必要な要素がわかります。また、より良い職場環境づくりのためのPDCAサイクルと成功事例について知ることができます。
働きやすい・働きがいのある整備工場を実現するためには、経営者様の熱意とリーダーシップでPDCAサイクルを回していくことです。「働きやすい・働きがいのある職場づくり」への想いを、私たちクールペイは全力でサポートします。
整備工場にも働きやすさ・働きがいが求められている
近年、整備工場でも「働きやすさ」と「働きがい」の両立が強く求められています。国土交通省のガイドラインにもあるように、どちらか一方だけでは、持続的に人が定着する職場にはならないからです。
例えば、仕事量が多くやりがいはあっても、長時間労働が常態化すれば「へとへと」な職場になります。一方で、働きやすさを優先するあまり成長実感が得られなければ、「ぬるま湯」のような不安を抱える環境にもなりかねません。
図にあるとおり、目指すべきは「働きやすく、やりがいもある“いきいき職場”」です。このバランスを意識した職場づくりこそが、整備士の定着やモチベーション向上につながり、結果として工場全体の安定経営を支える基盤となります。
整備士の待遇|現状と課題
働きやすい・働きがいのある整備工場かどうかを判断するために、指標にするべき4つの項目があります。以下の4つの項目は「人材の定着」と「人材の育成」に欠かせません。
・年間労働時間
・年間所得額
・労働1時間あたりの所得額
・平均年間休日数
これらの指標は、求職者にとって会社を選択する決め手になります。自動車整備士は「きつい・汚い・危険」のイメージが根強く残っているからです。整備工場には「働きやすさ」を数値で示すことが求められます。整備士の待遇を示す4つの項目について、現状と課題を整理してみます。
改善傾向にある3つの項目

これら3つの項目は、おおむね改善傾向にあります。多くの整備事業者が整備士の待遇改善策として、労働時間の短縮や残業の削減、賃上げに取り組んだ結果といえるでしょう。しかし、潜在的な問題もあります。項目ごとにみていきましょう。
・年間労働時間の推移
2019年以前、自動車整備等の年間労働時間は、全職種と比較して年間約100時間も長く、慢性的な長時間労働が課題となっていました。しかし2020年、新型コロナウィルスの影響により、店舗休業や時短営業を余儀なくされ、結果として年間労働時間は一気に短縮されます。
この背景には、業務量の一時的な減少だけでなく、オンライン研修やリモート会議の導入など、業務効率化が短期間で進んだことも影響しています。
・年間所得額の推移
年間所得額も大きく改善がみられます。2020年からの2年間において、自動車整備業の年間所得額が、全職種の増加率である平均2%を上回り、9%増加するなど一定の改善がされているからです。しかし、依然として全職種平均には及ばず、かつディーラーや中小整備工場などの業態による格差や年代別の所得格差も発生しています。
・労働1時間あたりの所得額の推移
労働1時間あたりの所得額は、2018年以降で大きな改善がみられます。1時間あたりの工賃指標であるレバーレートの上昇や作業効率化などの成果と考えられます。一方で、その水準はいまだ全職種平均に及んでいません。
また、近年の自動車は最新技術が搭載された電気自動車や先進安全自動車などが増えており、電子制御整備の重要性が高まっています。あらゆる作業で車載式故障診断装置(OBD)が必要となっており、1台あたりの整備作業時間は増加傾向です。
今後の課題は年間休日数の増加

自動車整備業と全職種を比較すると、待遇面で最も乖離している項目が平均年間休日数です。休日数の少なさは、整備士の疲労蓄積や離職にも直結する重要な課題といえます。実際に、年間休日数が105日未満と回答した事業者は全職種平均で約8%、運送・郵便業では約28%であるのに対し、自動車整備業では約47%にも上ります。
年間休日を確保するため、メーカー系列ディーラーも改善を進めています。年間休日を増やすための主な取り組みは以下の通りです。
・お盆や年末年始の休みを増やす
・1週間のうち1日だけ就業時間を長くする
・有給休暇とは別に休みをとれる制度
当然ですが、単純に休日を増やすだけでは経営は成り立ちません。休日を増やしつつ、売り上げを維持・向上させるためには、業務の効率化や整備士1人ひとりのスキルアップを通じて、生産性を高めていくことが必要です。
・年間労働時間
・年間所得額
・労働1時間あたりの所得額
・平均年間休日数
この4つの項目は「人材の定着」や「人材の育成」に直結します。整備工場では、具体的にどのような点に注目し、改善を進めていけばよいのでしょうか。国土交通省のガイドラインが示す「2つのポイント」について詳しくみていきます。
【ガイドライン解説】働きやすい・働きがいのある整備工場2つのポイント
国土交通省が示す「自動車整備士等の働きやすい・働きがいのある職場づくりに向けたガイドライン」では、職場環境の改善を進めるうえで「2つのポイント」が重要であると示されています。ポイント①:「人材の定着」を実現する働きやすい職場づくり
ポイント②:「人材の育成」を実現する働きがいのある職場づくり
働く従業員が心身ともに健康で働ける「働きやすさ」がなければ、その会社にとどまることは困難です。また、給与や休暇が十分でも成長実感ややりがいが得られなければ、働く意欲が低下してしまいます。
ガイドラインでは、この2つのポイントをバランスよく高め「いきいき職場」を目指すことが望ましいとしています。
ポイント①人材の定着|働き方・労働条件と人間関係・コミュニケーション
人材の定着において、重視すべき2つの要素があります。「働き方・労働条件」と「人間関係・コミュニケーション」です。この2つの要素を満たすことで、無理なく安心して働き続けられるようになるからです。働き方・労働条件
人材の定着において、整備事業者は労働時間や休日の確保、安全衛生管理などに関する法令遵守を徹底することが求められます。さらに、女性や外国人などの多様な人材が活躍できる環境の提供、フレックス勤務制度などの導入といった取り組みも効果的です。これらの取り組みが、店舗スタッフ1人ひとりに合った働き方を可能にし、働きやすい職場に繋がります。
人間関係・コミュニケーション
人間関係・コミュニケーションも非常に大切な要素です。「職場の人間関係が合わなかった」ことによる離職は増加傾向にあるからです。特に外国人や女性スタッフは、正直に話しづらいと感じたり、気を使い過ぎてしまったりする傾向があります。円滑な情報共有や連携を促し、意見を言いやすい環境を整え、お互いの信頼関係を構築することが大切です。
ポイント②人材の育成|人材開発と待遇
人材の育成において重視すべき2つの要素は「人材開発」と「待遇」です。整備士が最新技術に対応できるよう、知識・技能の習得機会を提供するとともに、資格や役職に応じた手当を支給するなど、成長が評価される仕組みが求められます。こうした取り組みを継続することで、整備士1人ひとりのモチベーションが上がり、働きがいの向上に繋がっていきます。
人材開発
人材開発では、整備士の知識・技能の向上やキャリアアップ支援が重要です。知識・技能の向上は個々の強みを伸ばし、整備士自身の成長を実感させることができます。先進技術や資格の取得支援は、整備士のキャリアアップに必要であると意識付けができ、後身育成にも役立つことが期待できます。
待遇
まずは、適正な賃金等の支払いを確保しましょう。それから、多様な働く価値に応じた制度等の充実に取り組みます。能力等に応じた手当の支給や社会貢献活動の提供など、待遇面での取り組みは働きがいに繋がっていきます。
働きやすい・働きがいのある整備工場への取り組み|PDCAの活用
「人材の定着」と「人材の育成」の4つの要素(働き方・労働条件、人間関係・コミュニケーション、人材開発、待遇)は、一度取り組んで終わりではありません。働きやすい・働きがいのある整備工場にしていくためには、継続的な改善活動が必要不可欠です。
整備業界を取り巻く環境は常に変化しており、整備工場も柔軟に対応していく必要があります。この継続的な改善活動を推進する具体的な手法として、PDCAサイクルの活用が有効です。
①Plan(計画):まずは整備要員から話を聞き、現状の課題を把握・整理します。その上で、経営ビジョン(企業が長期的に実現したい姿)を定め、その実現に向けた目標、具体的な取り組み計画を策定します。この職場づくりには金銭的・時間的コストが伴うため、最低でも3~5年間の計画を立てることが推奨されます。
②Do(実行):策定した計画に従って、具体的な取り組み(研修、制度導入、設備投資など)を実行します。
③Check(評価):実行した取り組みが、労働環境や生産性の向上に繋がったか、定期的に効果を検証します。例えば、従業員満足度調査やスキルマップの達成度、離職率の増減などを指標とします。
④Act(改善):検証結果を踏まえ、残った課題や新たな課題の解決策を検討し、次の計画や取り組み内容を更新します。
このようにPDCAサイクルを回し続けることで、職場環境の改善は持続的な取り組みとして定着していきます。その推進役となるのが経営トップです。経営者自らが目指す職場像を明確にし、必要な投資や判断を先送りせずに行うことが、取り組みの成否を大きく左右します。
PDCAを活用した成功事例2選
実際にPDCAを活用して成功した事例を2つ紹介します。同業者の成功事例はぜひ参考にするべきです。悩みや考えは同業者であれば共通するところが多く、すぐにでも実践できることがあるからです。先人達が時間と労力をかけた、具体的なPDCAの活用方法を取り入れていきましょう。
有限会社吉岡自動車 ~理念経営に取り組み会社風土の変革~
約10年前の吉岡自動車は、社員同士の喧嘩が頻発したり、挨拶がなかったりと決して良い状況ではなかったそうです。代表者である吉岡社長は現状に不安を感じ、会社の変革を決意しました。
会社の変革にあたって重要なのは「経営理念」ということを学び、社長本人が納得するまで「経営理念」の作成に時間を費やしたとのことです。
「経営理念」の作成後、すぐに社員を集め理念を共有したが、多くの社員が無関心だったそうです。それでも吉岡社長自らがめげずに継続して社員へ伝え続けることで、少しずつ反応が変わっていったとのこと。
また、理念浸透のため社長を含めた全社員が毎月1回「ありがとうカード」を渡し合うことをルール化。社員全員が「ありがとうカード」を渡すために小さなことでも気が付けるようになり、感謝を伝える会社風土へ変えることができたそうです。
社長が10年間に渡り、理念の浸透に取り組んだ成果として離職率の低下や社員からの自発的行動がみられるようになったとのこと。吉岡自動車の理念経営が成功している好事例です。
株式会社マッハ ~分業化・システム化による生産性向上~
株式会社マッハは、全国にマッハ車検加盟店70店舗を展開する車検特化型の会社です。株式会社マッハでは、整備士・フロントスタッフの能力を最大限引き出すためにシステムの力が必要と考え、独自の車検システムを開発。優れた車検システム導入によって、整備士・検査員は接客やクレーム対応することなく、整備業務に集中できるようになった。整備士の整備工数は大きく向上し、給与にも反映できたとのこと。
また、人事評価システムにも独自の工夫があります。過去に脆弱な人事評価制度が不満となり、大切な従業員の離職に繋がってしまったことがあったそうです。株式会社マッハでは、同じ過ちを繰り返さないために、実績評価に加え、従業員参加型の評価制度(自己他社評価)や人事評価システムを開発し、運用しているとのこと。
車検システムの導入効果として、昼食時間の確保や残業の圧縮が実現でき、社員満足度が向上。また、独自の評価制度により、従業員同士の自発的なコミュニケーション機会が増えたとのこと。人材の定着と育成において成果がみられる好事例です。
働きやすく・働きがいのある整備工場づくりには、人材や設備への先行投資が不可欠です。しかし「資金面の不安」で改善に踏み切れなければ、結果として経営リスクはさらに高まってしまいます。
クールペイのファクタリングサービスは、売掛金を早期に資金化することで、銀行融資に頼らず運転資金を確保できます。資金繰りの安定は、必要な人材の確保や育成、余裕のある工場運営に繋がります。
「働きやすい・働きがいのある整備工場にしたい」そんな経営者様の想いを、クールペイは資金面から全力で支えます。理想の整備工場づくりの第一歩として、ぜひ一度ご相談ください。
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