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2025/09/13

商品の魅力を語るほどモノは売れなくなる…は本当か??

商品の魅力を語るほど売れなくなる…は本当か?(消費者心理学)

こんにちは。
クールペイです!
 
突然ですが「商品の魅力を語るほどモノは売れなくなる」という話聞いたことありませんか?
 
今まではなんとなく聞き流して、そんなもんかなぁ…って思ってたんですが、ふと気になったので調べてみました。
 
 

魅力を語るほど売れなくなる理由

 
実際、調べてみると「なるほどなっ!」って思うことが多くあり勉強になりました。
 
例えばですが、5つの魅力がある商品を売ろうとしていたとします。
そして、それぞれの魅力に点数をつけると下記のようになっているとします。(※各100点満点)
 
Aの魅力:100点
Bの魅力:70点
Cの魅力:50点
Dの魅力:30点
Eの魅力:10点
 
点数は、それぞれの魅力がどの程度ユーザーの心に響くかを数値化したものとします。
 
5つ全部の合計点数は260点ですね!
 
普通だったら、魅力はしっかり伝えたほうが良いと思いますよね?
でも、消費者心理の観点では、5つ全部の魅力を伝えるべきではないとのこと。
 
 

5つ全部の魅力を伝えても52点の魅力になっちゃう!

 
これら5つの魅力の合計点は260点ですが平均点は52点。
こういう時、消費者の多くは、平均点でその商品の魅力を判断する傾向にあるそうです。
 
これは「平均化の法則(averaging rule)」と呼ばれる消費者心理学によるもの。
せっかく沢山の魅力を伝えても平均化して評価されるなら、数多くの魅力を伝えるよりも絶対的に自信のある魅力を伝えたほうがよいのは間違いありません!!
 
よくよく思い返してみると、Appleの新製品発表会では特に特徴的な魅力だけにフォーカスして説明していて完結ですよね!
 
これは、きっと、平均化の法則を意識してるんじゃないでしょうかなって思います。
 
 

他の消費者心理においても裏付けられています。

 
平均化の法則以外にも「沢山の魅力を伝えないほうがよい」ことを裏付ける消費者心理があります。
 
 選択のパラドックス(Choice Overload)
消費者は多くの情報を一度に受け取ると選択や判断が難しくなり結果的に買うのを見送ってしまう。
 
 認知負荷(Cognitive Load)
一度に処理できる情報量には限界があり、情報過多になると全体の印象がボヤケてしまう。
 
 希薄化効果(Dilution Effect)
強力な魅力と些細な魅力を伝えると、混ざり合って全体(商品自体)の魅力が希薄化してしまう。
 
 
それぞれ、別の実験で導き出した消費者心理学ですが、最初に説明した「平均化の法則」と同じく、商品の魅力を多く語ることは加点どころか減点になるということが証明されているとのこと。
…商売って奥が深いですね。
 
 

それでもやっぱり商品の魅力はしっかり伝えたい!

 
そうですよね!
せっかく商品を紹介するなら、魅力はしっかり伝えたいし、十分に伝えないと説明不足に陥ってしまうこともあります。
 
だから、絶対的に響く魅力を超強調して、その他の魅力はそえる程度にする…というのが良いんじゃないかなって思います。
 
そういえば、だいぶ前にパソコンのキーボードを買いに電気屋さんに行ったんです。
その時、子供がまだ小さかったので、タイピングの音が小さいのがほしいなって思ってたんですよね。
 
そしたら店員さんが近づいてきて、このキーボードは「隣で子供が眠っている時でも気兼ねなく残業できるくらい打刻音が静かなんですよ!」って、超絶でかい声で説明してきたことがありました。
(最初はお前が静かになって欲しいよ!ってツッコミ入れたくなったくらいでかい声でした^^;)
 
かなり知識のある店員さんだったようで、その後は、ひたすら「何故音が静かなのか?」を熱弁してました。
 
言葉数は超多かったのに、ひたすら打刻音が静かな理由と、他のモデルと比べてどれだけ静かかだけを早口でまくしたてるように話してました。
 
多分、営業上手な店員さんではなかったと思います。
でも、私、迷わずそのキーボード買いました。
 
その時の私にとって、打刻音が小さいっていうのは100点満点の魅力だったからです。
 
そう考えると、人によってそれぞれの魅力に対しての採点は違ってきまるね。
それを、瞬時に読み取る力も必要になるのかも知れません。
 
 
…待てよ?
あの店員さんは何故僕が打刻音が小さいキーボードを探してるって分かったんだろう?
私からは一言も言ってないのに、初見で見抜いてたなら凄すぎる…!
 
 

結局どれだけ深く心に響くかってことなのかも?

 
そんなこんなで今日は消費者心理について学びました。
 
売りたい商品のこととなると、思わずあれもこれも魅力を伝えたくなる。
でもそれは良くない。
 
その事実がいくつも心理学で同じ結論に至ったというのが興味深いです。
 
本当に響く魅力だけをシンプルに伝える。
これが結局のところ最強ってことなのかもですね!!
 
…なんとなく、ちょっとだけ料理に似てると思うのは私だけでしょうか?
 
色々な調味料を入れて凝った料理を作りたくなるけど、味の種類が多いほどに味がボヤける。結局はシンプルな中にこだわりがある料理が旨い。
 
明日の朝の味噌汁は、具は大根だけ。
それで、昆布で出汁からとってみようかな?
 
でも、ちょっと面倒くさいな…。
日曜日だしな…どうしようかな…